「浜岡原発全面停止」以降の課題
日曜日, 5月 15th, 2011広瀬隆 特別インタビュー(DIAMOND ONLINE)
菅直人首相が浜岡原発の全原子炉停止を中部電力に要請し、日本のエネルギー政策が大きく軋み始めた。これから脱原発の流れは加速するのか、夏季に向けて電力供給に支障は生じないのか。原発とエネルギー問題に詳しい作家・広瀬隆氏に語ってもらった。(聞き手/ダイヤモンド社論説委員 坪井賢一)
広瀬隆 特別インタビュー(DIAMOND ONLINE)
菅直人首相が浜岡原発の全原子炉停止を中部電力に要請し、日本のエネルギー政策が大きく軋み始めた。これから脱原発の流れは加速するのか、夏季に向けて電力供給に支障は生じないのか。原発とエネルギー問題に詳しい作家・広瀬隆氏に語ってもらった。(聞き手/ダイヤモンド社論説委員 坪井賢一)
菅首相の要請により、停止が決まった浜岡原発ですが、これをもって完全に安心というわけではありません。
その理由の一つに使用済み核燃料の処遇があります。現在、1090トンもの使用済み核燃料が浜岡原発に保管されています。これは使用が終了して何年もたってすでにかなり冷えているものもありますが、まだメルトダウンを起こすほど熱を持ったものもあります。
今回の福島第一原発でもみたように、これら使用済み核燃料も冷やし続けないと、水が干上がってしまい、放射性物質を外部に放出してしまいます。
現在、これら使用済み核燃料の大半は2号機の中で保管されています。今、東海地震が起きたら、津波の問題もありますし、2号機は古いため耐震上の問題もあります。
ですからできるだけ早く、使用済燃料を津波が及ばない場所に移動させるべきです。しかし、中部電力はそのようなことは考えていない模様で、政府もそこまでは要請していないと思われます。今後の課題です。