駿河湾及び駿河トラフ付近などを震源域とする東海地震は、100〜150年の間隔で大きな地震を起こすプレートの沈み込みによる地震ですが、このような地震の場合、有史以来の地震の発生状況を綿密に調べることなどによって、起こりうる地震の大きさや震源域について概ね予測することができます。
また、活断層による地震についても、敷地周辺の地質を徹底的に調査することなどによって、起こりうる地震の大きさや位置について概ね予測することができます。「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」では、有史以来の地震の発生状況や敷地周辺の地質の詳細な調査を行い、近い将来起こりうると考えられる地震のうち、原子力発電所に最も大きな影響を与える地震に対して耐震安全性が確保されるような設計を行うことを求めています。
さらに、この地震を上回る到底起こりえないと考えられる地震までも想定して、それでも十分な耐震安全性が確保されるような設計を行うことを求めています。浜岡原子力発電所(以下、浜岡原発)3〜5号機の安全上重要な建物や機器などは、M8.0の想定東海地震、M8.4の安政東海地震、さらにはM8.5の南海トラフ沿いに想定される地震までも考慮したうえで、これらの地震にも十分耐えうるような設計がなされていることを確認しています。
また、指針策定以前に設置された1、2号機についても、3〜5号機の設計時に考慮した地震動を用いて計算を行うことにより、十分な耐震安全性が確保されていることを確認しています。なお、最新の知見に基づいて想定東海地震の地震動を計算したところ、浜岡原発3〜5号機の設計用に想定した地震動と比べて小さく、浜岡原発の耐震安全性に問題ないことが確認されています。
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原子力発電所は岩盤上に配置されますので、想定する地震動も岩盤上において作用するものとして設計されています。一方、兵庫県南部地震で観測された800ガルを超える強い地震動は、表層地盤上で観測されたものです。
地震動は、岩盤から表層地盤に伝わる際に増幅されて大きくなりますので、表層地盤上では岩盤よりも大きな地震動が観測されることになります。例えば、浜岡原発5号機では岩盤上で600ガルの加速度を想定していますが、この場合の表層地盤上での地震動は約1300ガルになるという解析結果が得られています。このように、兵庫県南部地震で観測された833ガルの加速度を、浜岡原発で想定している450ガルや600ガルの加速度と比較することは適切ではありません。
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浜岡原発の基礎地盤は相良層と呼ばれる砂岩・泥岩の層で、分類上は確かに軟岩に分類されるものですが、この基礎地盤については、強度実験などを行った結果、原子力発電所の基礎地盤として十分な強度があることを確認しています(一部メディアでは、地表に露出して風化した部分をもって地盤が軟らかいという誤った結論を導き出している例も見受けられます)。
また、浜岡原発の基礎地盤の相良層には、複数の断層が認められますが、詳細な地質調査を行った結果、それらの断層が地震を起こすような断層ではなく、原子力発電所の安全性に問題となるようなものではないことを確認しています。
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東海地震などの地震の発生に伴う原子力災害の防止については、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律をはじめとした法令などの規定に基づいて、原子力発電所が十分な耐震性を有していることを確認するなど様々な措置がなされており、原子力発電所における災害の防止に万全をつくしております。
また、万が一、地震の発生に伴って原子力発電所で事故が起こった場合でも、災害対策基本法に基づき作成されている防災基本計画、さらにはその防災基本計画に基づき作成されている防災業務計画に原子力災害対策について定めており、その対策に従って適切に対応することが可能であると考えています。
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