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サンデー毎日 2004/02/29号掲載

「浜岡原発は即刻停止せよ」−元地震予知連会長が怒りの告発
茂木清夫・東大名誉教授、東海地震 3頁以上/特集記事 P. 143


<内容一部抜粋>
日本では、大地震のたびに予想外に大きな被害が出て、耐震基準の見直しを迫られるという歴史をたどってきたことは、防災や地震に携わる者なら誰でも知っています。そもそも事態が想定通りに起きてくれるなら、そして日本の技術力が欧米諸国より優れているなら、阪神大震災で高速道路が倒れることも、 95年の高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム漏れ火災事故も、度重なるロケット打ち上げ失敗もなかったでしょう。
まだしも道路や家屋なら耐震基準を見直して「次」に備えるのは意味があるが、原発震災に「次」はない。チェルノブイリのような事態が起きれば、日本の主要都市は高濃度の放射性物質に汚染され、取り返しがつかない。「想定外でした」では済まない以上、最悪のケースを前提に事を決するべきです。


繰り返しますが、原発がM8級の巨大地震に直撃されたことは、世界的にも一度もない。M7級さえもありません。そして、仮定を積み重ねたシュミレーション通りに地震が起きる保障はありはしないのです。大災害を確実に回避するためには、浜岡原発を即刻止めるしかありません。それが実現するまで、私は訴え続けますよ。